1本の動画ができるまで

今回は制作会社に動画を依頼すると、どんな手順で進行していくのかを紹介したいと思います。

最近では手軽な編集ツールも増えてきて、自分で編集した動画をYouTubeなどにアップしたことがある人も多いはず。
効率よく制作を進めるためにはフローって重要なんですよ。

あくまでもサンプルなんで、場合によっては変わることもありますし、制作会社による部分もあるのでご了承。

ご依頼、お見積

「どんな動画を何分ぐらいで作りたいか」が決まっている場合もありますが、「この商品をPRしたいんだけど、どんな動画を作ればいいんだろう?」というのもあるはず。
(『商品』の部分を『お店』とか『ゲーム』とか『趣味』とかに置き換えて考えてくださいな)

作りたい動画がある程度決まっている場合

お見積作成のため、以下の内容を伺っていますが、それぞれ簡単に。

  1. 撮影予定日(予備日)
    まずはスケジュールが合わなきゃ話は始まりません。
    あとは野外撮影の場合だと予備日が設定されることもあります。
    先に決まっていれば万が一「台風で船が出ない」なんて場合でも、再ロケ日が確保可能ですからね。
    決まってないと「次にロケできるのは1ヶ月後」なんてことになりかねませんし…
  2. 撮影場所
    日帰り圏内か、前日入りかで料金も変わってきます。
    まぁ、場合によっては「宮城もしくは岩手」なんてこともありますが、この辺は柔軟に。
    「東京もしくはリオデジャネイロ」とかはやめてくださいね(笑)
  3. 出演予定者人数
    これ、けっこう重要。というのはウチで使ってるカメラに入る音声が2系統なので、ピンマイクは2本までとしています。
    ミキサー持って複数系統を録るって方法もあるのですが、ワンオペだと追い付かなくなるので私はやりません。
    3人以上の場合は音声スタッフを入れていただく、もしくはピンマイクを使わずガンマイクなどで録る方法を提案しております。
  4. 撮影内容
    スタジオ録りなのか、屋外なのか。あとは水中やドローンなど特殊撮影の有無などですね。もちろん費用も変わってきます。
  5. 使用媒体
    これ重要。多いのはフルHD(2k、1920×1080px)でYouTube用ですが、たとえば「インスタのショート動画で使いたい」という場合ですと画角を1:1(もしくは4:5)で作った方がいい場合も。
    その場合、もちろん撮り方も編集方法も変わってきますので、原則として先にお決めいただいてます。
  6. 予定尺
    長くなれは長くなるほど作業時間が長くなりますので料金も高くなります。
    ですが、短い動画でもエフェクトを多用すれば作業時間を喰うので、この辺はご相談しながらですね。
  7. 納品希望日
    「絶対この日までに」という期日があれば、かならずご依頼時にお知らせください。
    だいたいは複数案件が同時進行していますので、納期まで時間がない場合は別案件との調整が必要になります。
    ただし不確定要素がある撮影で、納期まで期日が短い場合は別料金をいただいております。
    「釣れなかったから1週間後に再ロケで」って言われても、編集のために別案件を断って確保したこの1週間、どないすんねん!という話になっちゃいますので…
  8. 予算
    これは決まっていれば、という感じで。
    逆に予算感がまったくわからないこともあるかと思いますので、その場合はお気軽にお尋ねください。
    もちろん使用機材や撮影内容で費用も上下しますので、「このご予算だと難しいので、もうひと声」とか「ここを削れば予算内に収まります」というご提案もいたします。

もちろん「どんなのを作ったら効果的なんだろう?」という企画初期段階からのご相談も承っております。
そこそこ経験ありますので(笑)

撮影準備

何事も準備が大事。撮影は段取り9割、現場1割…は言いすぎとしても、そのぐらい準備は大切ですからね。
簡単に書くとこんな感じ。

  1. 詳細内容の聞き取り
  2. 機材の選定
  3. 絵コンテ
  4. 台本

では、それぞれについて。

  1. 詳細内容の聞き取り
    ご依頼時に伺ってはいますが、多少の変更があることも少なくありません。これを疎かにすると現場がパニックになりますので、覚え書きを交わしながら…が理想なんですが、そうはいかないことも。
    まぁ、臨機応変にやってますけど、特にドローン、水中撮影、夜間撮影などは気を遣います。
  2. 機材の選定
    そのまんまですね。「小道具としてイスがあったほうがいいな」とか「モノが小さいからマクロレンズ必要だな」とか。
    遠方ロケで飛行機移動の場合などは一部機材を先に宿へ送ることもあるので、前後のスケジュールを調整する必要も出てきますね。
  3. 絵コンテ
    これは省略することも。クライアントとの意思疎通にも必要な場合が多いですが、絵コンテ作るにも時間とコストが掛かりますので、その辺はご予算に応じて。
  4. 台本、タイムスケジュール
    カッチリとした台本でなくても、簡単な覚え書きは欲しいところ。
    たとえば「この商品のココとココだけはかならず説明してください。あとは使用感などアドリブで」という感じ。
    タイムスケジュールは臨機応変なところもありますが、日中と夜間にまたがるロケなどは「陽がある間にこれだけは撮っておかないと!」とかもあるので大事。

自主制作の場合、とりあえず現場行って、なんとなーく撮ってる方が多いはず。
ここが仕事と趣味の大きな違いになる部分ですね。

撮影

ここまでくれば準備した通りに進めるだけ。
現場ではあれこれ考えずとも撮影だけに集中できるような体勢を作っておきます。

とはいえ、現場の状況で柔軟な多対応も必要。
事前準場があればこそ臨機応変な対応も取れますからね。

で、撮る素材にはある程度順位付けをしておくといいでしょう。

  1. 絶対に必要
    出演者が商材を持ってる画や、そのコメントなどですね。
    あとからは撮れない素材と考えるといいかもしれません。
  2. あったら便利
    釣り動画なら、たとえば『どんな場所で釣れたか』とか『魚探の映像』とかのインサートカットですね。
    無くても制作は可能ですが、あると作品の質が上がります
    時間との兼ね合いで撮れないこともありますが、できるだけ抑えるようにしています。
  3. 無くてもいいけど
    いわゆる捨てカット。ここが仕事と趣味の差ですかね。
    たとえば「商品を持ってしゃべっているけど、台詞につまって繋ぎがおかしいな」なんて時に別の映像を入れてごまかし繋ぎをキレイに見せたりしますが、不自然にならぬよう『手元だけの画』が欲しくなることも。
    えっ、ブツ切り?(ジャンプカットって呼ばれてますけど、本当のジャンプカット手法に失礼なんで、ここではブツ切りと表現します)
    ご要望があった場合なら話は別ですが、お金貰って編集してて、あんなの使う人いるの?

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おいコラ!ジジイだまれ!


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そもそも喋りがヘタなのをごまかす編集でしょ?


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しゃらーーーっぷ!お口にチャック!


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金貰ってんなら、別のインサート被せて繋ぎ見えないようにするぐらいするでしょ


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あーあーあー、ボク聞こえなーい


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ネコが必死こいて止めてるので、機会をみて詳しく書こうと思います


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敵が増えるぞ…


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別に構わん。大切なのはクライアントの利益、これ大原則!

編集

詳しく書くと膨大な文字数になるので、今回は簡略化して…

  1. データバックアップ
    撮影データがぶっ壊れたらシャレになりません。
    まずはバックアップ!
  2. 粗編集
    使えるシーンをざっくりと切り出していきます。インタビューとかなら撮影30分、仕上がり10分とかで早いのですが、釣りだと撮影16時間、仕上がり15分とかもあるので、かなりの時間を使います。
  3. 尺の確定
    粗編した中から必要シーンを繋ぎあわせて大枠を作り、ここで一度校正。
    クライアントから「このシーンも入れて」とか「ここはカット」という指示をいただき、この時点で尺をほぼ確定させます。
  4. モーショングラフィック作成、字幕入れ
    必要なモーショングラフィックを選定したり、場合によっては作ったりします。けっこー大変ッス。
    あとは字幕。これも効果を入れたりすると、そこそこ時間を喰う作業。
    ウチの場合は、ここでもう一度校正。
    文字のチェックはもちろんですが、この後になると尺変更をともなう修正は、ものすんごく大変なことになりかねませんので、しっかりご確認いただいてます。
  5. MA(音入れ)
    最後は整音作業です。インタビューとかなら、さほど時間が掛かりませんが、屋外ロケの場合は大変です。死ぬほど大変です。笑っちゃうほど大変です。これだけで10本ぐらい愚痴記事が書けるぐらい大変です。
    あとはBGMと効果音入れですが、これが4の時点で尺を確定させる理由。あとから「この台詞だけ切って」と言われましても、BGMから何からやり直しになる場合は追加料金でっせ。無駄な出費を抑えるためにも4の時点の校正は慎重に。
  6. 最終校正(念校)
    納品前の念のためのチェックという感じなので、この後やれるのは字幕のちょい直しぐらいですかね。問題なければ、そのまま納品です。
    たまーに「上司がチェックしたら、このシーン追加しろって言われて…」とか来ますけど、4まで戻って再作業なので時間工賃別料金。
    ここをなあなあにするとエンドレス修正地獄になるので、ウチではしっかり料金をいただきます。
  7. 納品
    サムネイルや動画説明文のご依頼があれば、同時に納品して完成。
    またのご依頼、お待ちしてまーす!

無駄な費用を抑えるために

私が動画制作をしていていちばん無駄だなと思うのは、6.最終校正(念校)後の修正。
尺が変わった影響でモーショングラフィックや字幕も修正になることがありますし、尺にあわせてきれいに収まるよう選んだBGMが修正により使えなくなったり、再調整のためにリバーブ掛けてウンチャラカンチャラ…

えっと…簡単に言うと、ご担当者様のご想像以上に時間(費用)が掛かることも多々あります。
ですので、何度も書くようですが4.モーショングラフィック作成、字幕入れの校正は特に念入りにお願いします。

あとは、たとえばインサート用の写真。
「印刷用に作った切り抜き済みのデータがあるけど、どこに行ったかわからない…元データ送るから、そっちで抜いて!」

やりますけど、お金掛かっちゃいますよ。
無駄ですよね…

字幕については、1行(もしくは2行)に収まるよう、文字数をあわせて、文字送りも考えてと、かなり経験を要するところ。
当方執筆だと料金は掛かりますが、慣れない作業で思った以上に時間を取られるぐらいなら、かえってご依頼いただいたほうがスムーズに進むことも。

絵コンテや台本に関しては簡単なサンプルもご用意していますので、必要ならご契約時にお渡しします。
手書きでも構いませんので、そちらにご記入いただくことでイメージを共有しやすくなるかと思います。

えっ、「自主制作してるから無料でくれ!」って?
目の前の板に「絵コンテ テンプレート」と入力すりゃいっぱいでてくるよ。

ということで今日のまとめ。

撮影は段取り9割、現場1割のつもりで。
編集の後戻りをしなくて済むよう、校正は確実に!

あと、ぶつ切り編集キライ。

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まだ言うか…

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