著作権について

当方での制作物にはライセンス契約に基づく第三者のコンテンツ(動画用音源やワードプレステーマなど)が含まれている場合があります。
ご契約時の使用目的に応じて制作しておりますので、納品後に契約内容に無い使用方法をされた場合には下記のような係争が起こる恐れがある旨をご理解ください。

YouTube用として納品した動画を別媒体で放映した

たとえば放映媒体が音源の使用許諾範囲から外れていた場合、音源権利保有者からクライアントおよび当方にも違約料請求(損害賠償請求)が届く可能性があります。これは動画コンテンツの著作者は制作会社、クライアント(発注者)は著作利用権を有することになるとの解釈によるものです。

映像著作物の著作者は、製作者(プロダクション)であり、著作権は原初的に製作者(プロダクション)に発生する。
本来、映像(映画、ビデオ、およびそれに類似する効果をもつもの)の著作権は、その映像の著作・創作行為に「発意と責任を有する者」すなわち製作者(プロダクション)に帰属することになっています(著作権法、第29条および第2条10項参照)。
参考:公益社団法人 映像文化製作者連盟「公正な著作権契約のために」https://www.eibunren.or.jp/?page_id=727

ここでは契約範囲外での使用となるため、
音源権利保有者→著作権侵害で当方(もしくはクライアント、もしくは双方)を訴える
当方→契約違反でクライアントを訴える

というケースが想定されます。

「権利を持つ=責任を持つ」ため、著作権侵害については当方が責を問われる形になりますが、契約外での無断使用になるため、当方は同時にクライアントを訴えることになるのです。(解釈上、クライアントと当方の共同著作権との考え方もありますが、あくまでも共同であり当方の著作権は消滅しておりません)

ちなみに著作権を買い取った完全独自音源をご用意することも不可能ではありませんが、どんなに安くても1曲5万円~、15分程度の動画1本でも最低3曲程度必要になりますので現実的ではないと思います。(この場合、買い取り価格および手数料などはすべて制作費に転嫁いたします)

書面での契約を交わして制作動画の著作権譲渡などもできますが、正式な書類にするためには司法書士や行政書士への依頼するなどの煩雑さもあり、よほど大きな案件でない限りは通常行いません。(どうしてもというご希望があれば行いますが、費用とそれに掛かる手数料を全額請求いたします)

ちなみに著作権侵害の損害賠償請求権は”被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する民法第724条)”ため、音源権利保有者からの訴えの前に当方がクライアントへ差し止め請求を行うこともありますし、万が一従っていただけない場合には法的措置を執らざるを得ない場合がある旨をご理解ください。

ちなみに上記は民事ですが、この他に刑事罰もあり”十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科著作権法第119条)”される可能性もあります。

この法的解釈については私が調べた限りでは判例が見当たらず、場合によっては別の解釈がなされる可能性かありますため、あくまでも私個人としての見解とはなりますが、当方の制作物を契約内容以外での無断使用は絶対にしないようお願いいたします

もちろん現在においてはご使用前に一報いただければ、ほぼ問題なく他媒体でも転用可能なデータで制作しておりますのでご安心ください(ウェブサイトのシステム関連を除く)。

YouTube用に納品した動画をクライアント側で修正し再アップロードした

これもかなり微妙な解釈になるため私個人の見解となりますが、使用音源のライセンス契約は音源権利保有者←→当方となるため、音源権利保有者←→クライアントの契約はありません。

契約には「ライセンス契約を結ぶ利用者は、第三者に対してコンテンツを制作し納品することができる」といった内容の利用規約が定められていますが、あくまでも制作する権利については当方が権利保有者から借り受けているものであり、納品先のクライアントは使用音源を編集・改変する権利を有しておりません。

したがって納品物の改変はライセンス契約違反と解釈される可能性があるため、些細な修正であってもかならず当方にご依頼くださいますようお願いします。

なお、この解釈を元にすると、昨今流行の切り抜き動画は明確な契約違反となります。音源権利保有者は切り抜き動画制作者だけでなくクライアントおよび当方を訴える可能性がありますが、万が一クライアント側で切り抜き動画制作者側に許可を与えていたとすると両者とも責を問われる可能性があることをご承知ください。

当然のことながら無断使用を見付けられた場合は早急に公開差し止めの手続きをお願いします。

著作権侵害による削除依頼を送信する
著作権で保護されているご自身の作品が無断で YouTube に掲載された場合は、著作権侵害による削除依頼を提出できます。削除依頼を提出すると、法的手続きが開始されます。
参考:YouTubeヘルプ https://support.google.com/youtube/answer/2807622

以上の理由から、当方としても契約外での使用にあたるため、クライアントおよび切り抜き動画制作者側に差し止め請求を行い、従っていただけない場合には法的措置を執らざるを得ません。

ライセンス契約先の著作権保有者の権利を守るという意味でも、書面もしくは電子文書(メールに限る)での連絡なき転用はすべて無断使用にあたり契約違反という立場を取らせていただく旨、ご了承ください。(電話およびメール以外の電子文書は記録の保管が困難なためお断りします)

なお民法および著作権法にはさまざまな解釈があり、このページに記載されている内容はあくまでも私個人の見解となります。当方も法律の専門職ではないため、クライアント側での不明点については顧問弁護士等にご相談いただけると助かります。

2021年9月1日 ブルーバタフライ 片桐聡一 著

 

 

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