一例を挙げてみましょう。たとえば、この文章…
同等の商品を提供するのであれば其処に付加価値を付けることで競合他社と差別化をすべきだと私は考える。安易に価格競争に走れば待っているのは更なる値引き合戦。その中で企業利益を確保し続ける為に従業員や外注先のコスト削減を行えば優秀な人材から先に流出していくことでしょう。
お読みになって違和感はありませんか?
(テキトーに書いたんで、内容ではなく『文章』として読んでください)
もし私の元に『ライター』からこの原稿が届いたら、問答無用で突きかえします。
企業のご担当者など文章を書き慣れていらっしゃらない方からの草稿であれば…泣く泣くリライトします。
記事としてどこかに掲載されていたら…吊して爆笑します。
それでは簡単に校閲してみましょう。
同等の商品を提供するのであれば、付加価値により競合他社との差別化をすべきだと私は考える。安易に価格競争へと走れば、待っているのはさらなる値引き合戦。その中で企業利益を確保し続けるため、従業員や外注先のコスト削減を行えば優秀な人材から先に流出していくだろう。
アンダーライン部分が修正箇所です。
これで多少は読める『恥ずかしくない程度』の文章になりました。
前から順に、
- 読点を入れる
- 「付加~付ける」は誤用なので言い換え。「高める」も可
- 「に」が連続しているので言い換え
- 「更なる」だと文章がちょっと重いので、ひらがなに
- 「為」も同じく
- 文体の統一
しかし、まだまだ言葉足らずなために伝わりにくい部分もあると思います。
文字数の制約を考えずにリライトすると…
もし同価格・同品質の商品で競合他社とシェアを奪いあう必要性が生じた場合、付加価値による差別化で競争すべきだと私は考える。もっとも安易な手段――たとえば価格競争で一時的な利益を得たとしても、先に待つのはさらなる値引き合戦による企業の疲弊。その中で利益を確保するため『人件費の削減』や『外注コスト削減』を行えば、おそらくは優秀な人材から先に流出してしまい『利益を生みだせない体質の企業』へと成り下がってしまう恐れがあるためだ。
抽象的でわかりにくい単語を補足しつつ、「~と私は考える」に対し後半で理由を述べる形にして文章が出来上がりました。
ここからさらに読み手の年齢層などを考慮し、掲載メディアにあわせた改行の追加、印刷物なら改行・行末の処理にともなう言い換え、媒体のレギュレーションにあわせた文字使いへの変更、漢字とカタカナのバランスなどを調整していくのが文字を扱うプロフェッショナルのお仕事です。
オマエだって誤字あるじゃん
えっ、ドコ?マジ?シャレになってねぇ!
ぷぷっ、引っかかってやんの
たぶん誤字はないはずなので、万が一見付けても見て見ぬフリをするのが大人の対応です!
という文章も
- 「たぶん」なのか「多分」なのか
- 「ない」か「無い」か
- 「フリ」か「振り」か「ふり」か
などなど、選択肢はいっぱいあるんですよーっと。
(「見付け」と「見つけ」とか、たまにやらかすんだよな…ウチはページ内統一ってコトで)
ということで今日のまとめ。
まぁ、あれだ。気付かないほうが幸せなことだってあるんだよ(遠い目)
深い詮索は禁止します。
コメント欄に余計なコト書いてきたら、見付け次第削除します!
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